わかちゃんという仲良しの友人が、ある少年院で慰問コンサートをおこなうというので、見学させて頂きました。6年前に初めて会った頃は議員秘書で、「少年院にいる子たちのために自分にできることをしたい」と言っていましたが、それから彼女は一人でいろいろなところに顔を出し、少年施設の現状を知りました。元々子どもたちの教育に携わってきた彼女は、大手企業の協力を得て、ある少年院で昨年からプログラミング教育の導入に漕ぎつけました。今後、他の施設にも波及していくことと思います。
控室に到着すると、就労支援担当の職員の方が私にご挨拶に見えたのですが、その際、開口一番「ウチは基本、少年たちに『Chance!!』を見せていません」とおっしゃいました。「必要な少年には、必要なページだけ見せている」とのことでしたが、基本的に置いていないということにショックを受け、理由を聞くことすらできませんでした。
まもなくコンサートが始まりました。ステージで歌うわかちゃんは、とても堂々としていて、格好良かった。彼女を誇らしく思う一方で、私はなんだかずっと悲しい気持ちでした。腹さえ立ちました。たぶん、思いを次々と実現していくわかちゃんに対し、「自分はChance!!さえ置いてもらえない」と、卑下したのだと思います。どう、この小ささ。
でもよく考えたら、「『Chance!!』を置いてない施設に腹を立てるんじゃなく、置いてくださる施設に感謝だよな」と思いました。そもそも最初に法務省に相談したときに「まずは東京矯正管区から始めましょう」と言われたものの、1件も応募がなかったため、2号目からは勝手に全施設に配布したのでした。だから置いてくれないのが普通で、置いてくれる施設が有り難いのに、それを忘れていました。自分の講演では「逆境にも感謝を」とか言ってるくせして、ほんとバカ。おかげで初心にかえることができました。
7年前に13社からスタートした掲載企業は、最新号では34社となりました。これまで私ひとりで出来たことは何一つなく、応援して助けてくださった方々がいたから出来たことです。来年からは『Chance!!』編集部は新しいチームになります。デザインも変わり、さらにパワーアップしていきます。引き続き、よろしくお願いいたします。
2024年11月20日
Chance!! 編集長 三宅 晶子