ヒューマン・コメディとは

代表者メッセージ

私が企業を退職する間際の2014年7月。飲み会の場にいた同期の一人が、うつ病で休職していた社員の復職の世話係をするという話になったとき、もう一人の同期が「よく受け入れたね。俺だったら絶対に嫌だね！」と言い、そこから私と口論になりました。
彼の部署には、私と仲良しだった新卒のKちゃんがいました。Kちゃんは入社から1年半ほどでうつ病となり、半年間の休職を経て退職しました。部署も時期も違いますが、私もその数年前にうつ病、休職、復職の経験があります。
その場で怒りをおさめて彼らと別れましたが、電車に乗って自宅に着くまで、わんわん泣きながら帰りました。Kちゃんを守ってあげられなかったような気がして情けなかったし、自分自身も傷ついたからです。

退職後に、少年院や刑務所を出た人たちと話す機会があり、縁あって少年院から1人の女の子の身元引受をしました。父親からも母親からも虐待や育児放棄をされ、人生の大半を施設で過ごしてきた子で、「誕生日が嫌い」と言っていました。彼女との出会いがきっかけとなり、2015年7月、彼女の誕生日にこの会社を登記しました。私が死んだあとも毎年、この会社が続くことで、「生まれてきてくれて、ありがとう」と伝え続けたかったからです。
会社を持続継続するためには、寄付や助成金に頼らなくとも自走できるしくみをつくろうと思い、株式にしました。

この文章を書いているいまは2023年6月で、当社は9期目を迎えようとしています。
働けなくなったとき、犯罪をしてしまったとき、「生きやすい社会」であるといい。そして自分が「笑って死にたい」から、誰かが笑って死ねるようなお手伝いがしたい。そのような思いでやっております。
誰かを救いたいとか再犯を減らしたいとか、そんな崇高な理念はありません。目の前の人が二度と再犯をしないなんてことも、信じていません。そんなこと、明日の自分だってわからない。
でも、本人が本気で変わりたいと思うなら、いつでも変わることができるということを信じています。

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