『Chance! !Vol.24 冬号』ご挨拶に代えて
カテゴリー:ヒューマン・コメディ,未分類
この秋から、地方に行くときにはできるだけ前泊して、近隣の少年院や刑務所を訪問させて頂いています。なぜかというと、今年の夏から秋にかけて当社宛ての応募数が昨年と比べて半分近く減り、危機感を感じたからです。応募が減った理由として、他の求人誌やコレワーク、職親プロジェクトによる内定が増えたのではないかとか、マンネリ化して飽きられたのではないかとか、色々考えられます。でも、どんな理由があれ、当社にできることは2つ。掲載企業を全国に増やすことと、塀の中にいる皆さんが『Chance!!』を手にとって見る機会が増えるよう、施設に働きかけることだけです。
この、一見当然の働きかけをあまりしてこなかったのは、私の「恐れ」からです。創刊当初から「営利目的で高い掲載料をとる会社」と見なされ、施設やハローワークや関係組織からあからさまに冷たい対応をされた経験から、傷つきたくなくて、正面から向き合うことを避けてきました。それでも2020年に一大決心して全国の刑務所を周ろうと決めたのですが、その矢先にコロナで出鼻をくじかれ、それきりになっていました。
けれども、今回応募が減ったおかげで、「今できることをやろう」という気持ちになりました。そして、所長や就労支援担当の方々と顔を合わせて話をしていると、親身になってくださる方が多く、もっと早くこうしておけばよかった、傷ついてる場合じゃなかったと感じます。しかも、創刊当初から応援してくださる施設や行政の方々だって確実にいるのにもかかわらず、自分は「都合よく」それを忘れて、「できない理由」にしていたんだなあと思います。
『Chance!!』はこの冬号で6年が終わり、次の春号からは7年目に入ります。ここまで続けることができたのは、掲載してくださる企業があるということはもちろん、応募してくださる皆さんがいるからです。“履歴書”を書くのも本当に勇気のいることだと思いますが、『Chance!!』を信じて、過去をさらけ出してくださったその勇気が、私の諦めない勇気となりました。6年間支えてくれた皆さんと、今後もがんばっていけたらと思います。そして、まだ訪れたことのない多くの施設にも、これから会いに行きますので、よろしくお願いいたします。
2023年11月21日
Chance!! 編集長
三宅 晶子