拝啓 時下ますますご清栄のこととお慶び申し上げます。平素は格別のご支援を賜り厚く御礼申し上げます。
さてこのたび、少年院・刑務所等専用求人誌『Chance!!Vol.13春号』を発刊いたしました。現在の応募総数は延べ588件で、採用内定した方は111名となりました。うち出院・出所して就労を継続している方が34名、退職された方が23名、所在不明になった方が13名、逮捕の連絡を受けた方が4名、残り37名の方が社会に出るのを待っている状況です。
このVol.13をもって、『Chance!!』は創刊3周年を迎えることができました。私一人でできたことなど何もなく、事業主様をはじめ、多くの方の応援・支援のおかげと感謝しております。応援して頂いた方の中には、3名の故人がいらっしゃいます。「あっこ、がんばれ」と言い残して亡くなったライターの桑原みゆきさん。創刊前から私を応援してくださり、「Chance!!専用履歴書」の元となる確認事項をご提供くださった、元・報徳更生寮施設長の田上俊さん。Chance!!独自の誌面構成のアイデアをくださり、刑事施設での配布の許可を得るために矯正局に同行してくださった、チーム太陽の北村啓一さん。お線香を手向ける代わりに毎朝、空に向かって「ありがとうございます」とお伝えし、辛いときも、彼らの思いにこたえるんだと力を頂いています。
Chance!!をとおしてある会社に5カ月間就労していた方が、先日所在不明となりました。私にSNSで連絡をくださり、何があったのか聞きましたが「生きることに疲れた」と言うだけで何も話してはくださらなかったので、次のように伝えました。
「この世で一番大切なのは、人のご縁です。ご縁を通じて受けたご恩は、決して忘れてはいけません。ご恩を受けたことへの感謝の気持ちと、ご恩に報いることができなかったことへのお詫びを伝えることが、ものすごく大事なことなんです」と。
彼への言葉は、自分への言葉でもあります。自分一人で何かをしたような気になり、支えてくださる方のおかげという感謝の気持ちを忘れていないか。これまでのご恩を返せないことや、目の前のことに何もできないことに対して、ごめんなさいというお詫びの気持ちを持ち続けているか。この先、うれしいことも悲しいこともあると思いますが、感謝とお詫びの気持ちを忘れずに、目の前のことをひとつずつ、進めてまいります。
今後とも何卒ご支援を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。 敬具
2021年3月1日
株式会社ヒューマン・コメディ
代表取締役 三宅晶子
最新号閲覧はこちら↓